松下友樹氏、日本の医療と社会の課題を語る

8月16日御殿場市民会館においてスキンクリニック掛川院長が講演してくれました。わずか17名の方が参加され活発に意見を交わしました。荒川が「北駿地区の救急医療の危機的状況と救急総合病院の設立」講演、続いて松下先生が「医療を中心とした日本の課題」を講演されました。その後質疑応答を行いました。松下先生の内容をご紹介します。

#署名目標20000人

松下先生は医療が「金儲け」の手段となっている現状に強い疑問を抱き、患者を増やし、ベッドを埋めることが病院経営の至上命題となっている現状を改善しようと医師から政治の世界へ進んだそうです。

先生の日本の経済と社会の現状認識

30年間で日本の国力が著しく衰退した事実を指摘。

経済の停滞:1995年頃をピークに、日本のGDPの世界シェアは減少し続け、経済成長も先進国の中で唯一停滞。実質賃金は伸び悩み、国民の生活は年々苦しくなっている。

国民負担の増大:一方で、税金と社会保険料を合わせた国民負担率は右肩上がりに上昇し、50%に。

深刻な少子化:出生数は30年前の約3分の1である68万人台まで落ち込み。食料・エネルギー問題:食料自給率は38%、エネルギー自給率は11%。外国資本の流入で外資に買収され、地元の日本人が低賃金で働くといった、状況。

医療制度への警鐘:肥大化するコストと構造的欠陥

日本の国民医療費は右肩上がりに増え続け、現在は約46兆円に達し、将来的に100兆円規模になると予測されている。ここ数年、国民の平均寿命や健康寿命は伸び悩んでいます。これは、投じられた医療費が必ずしも国民の健康増進に繋がっていないことを示唆る。

病床過多が生む「無駄な医療」

余ったベッドを埋めるために、必ずしも入院が必要でない患者を入院させる「無駄な医療」が横行している。病院が収益を上げなければ存続できない現在の仕組みが生み出す構造的な問題。

補助金ビジネス

医療機関が補助金漬けになり「補助金ビジネス」が横行している。国の需要予測の甘さと税金の無駄遣いを批判しています。

ここまでの認識は僕たちと同じであると感じました。国の補助金ビジネスは県、市においても地元病院、医師会にも同様であると思っています。

解決方法には僕たちとは大きく違っていますが一つの方向性を示していると思います。以下に示します。

先生は、これらの問題に対する解決策として、治療中心から予防医療へのシフトと、病院のあり方そのものの見直しを提言します。具体的には、拠点となる公的な大病院は国が運営し、利益を追求する必要のない仕組みにすることで、無駄な医療をなくし、本当に必要な医療を提供できる体制を築くべきだと主張します。警察や消防のように、国民の安全を守るインフラとして医療を捉え直すことが必要だと訴えます。そして最も重要なのは、国民一人ひとりの意識改革(行動変容)だと強調します。「コンビニ受診」のような安易な受診を控え、救急車の適正な利用を心がけるなど、国民全体で医療資源を大切に使う意識を持つことが、医療費の抑制、ひいては国民負担率の低下に繋がると語りました。

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